校閲は文章を見る術を
一応身につけるけど、いざ書くとなると全然フィードバックない。ただひたすら「読めない文章にしない」くらい。
レスピーギは「地(⇔海)」のドビュッシー @大フィル吹奏楽スペ
要約:オーケストラと吹奏楽のコラボっていうけど、結局何がしたいの?
<スペシャルライブ>吹奏楽meetsオーケストラ
2011年2月25日(金)19:00開演 (18:00開場)指揮:下野竜也
トロンボーン:中川英二郎※
監修:丸谷明夫(大阪府立淀川工科高等学校名誉教諭・吹奏楽部顧問)◇<プログラム>
フンパーディンク/歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より“夕べの祈り、夢のパントマイム”
大栗 裕/大阪俗謡による幻想曲
シャーマン/チムチムチェリー(中川英二郎バージョン)※
モンティ/チャルダッシュ(中川英二郎バージョン)※
(アンコール:無伴奏による「アメイジング・グレイス」※)兼田敏/パッサカリア(管弦楽版:中原達彦編曲)
J.S.バッハ(ストコフスキー編曲)/前奏曲 ロ短調 BWV.869
レスピーギ/バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
(アンコール:V.ウィリアムズ/イギリス民謡組曲より 第3曲 行進曲「サマセットの民謡」◇)
公演スケジュール : 大阪フィルハーモニー交響楽団 - Osaka Philharmonic Orchestraより。アンコール曲など追記
後述する疑問の半面、フンパーディンクを聴けた時点でこの演奏会良かったなーと思えた。当初はデッドだったこのホールの、建材がこなれたのか、ふくよかな響きがふわっと立ち上がるのを確認できたのは、付属オケの音では得られない大フィルゆえなのかもしれない。
だがこのオケと吹奏楽のコラボ3回目、プログラムが発表されたときは個人的に少々落胆した。今回ソリストは既存の協奏曲を演奏しないし*1、トリは初回と同じレスピーギ*2。しかも複数の在阪オケが長くない期間にとりあげている「シバの女王ベルキス」。もちろんオーケストラでなかなか生で聴けない曲だし、「大阪俗謡による幻想曲」は大フィルゆかりでひさびさの公演、「パッサカリア」に思い入れのある方も多いだろうが、3回目して十分練られたの? もっとほかに曲あるやん? と。
このコラボが好評なのは、同じ下野さんが九州交響楽団でも同様の企画を振り、N響も「ほっとコンサート」と銘打つ青少年向け公演をしていることから、顧客としての潜在的ニーズがうかがえる。
でも、と素に戻る。結局オケと吹奏楽のコラボって何がしたいん? と。
やっぱり顧客層開拓なのかな。でも実際どうなんやろ。吹奏楽しか頭になかった人が足しげくオケの公演聴きに行くようになったん? 逆にオケの愛好家が吹奏楽に耳を貸すようになったんやろか? 吹奏楽のどこにそんな魅力をたえた鑑賞する場があるだろう。 そもそもその成果は観測され得るものなのだろうか。
シリーズ化が3回目と来て、三度目の正直ではないが一度再考の時かな、と。珍しい曲目が聴ける点では今後とも続けてほしいですけどね。としても、N響が報道機関の傘下として当然有すMCの技術ないし進行台本を、既にネタが枯渇している下野さんと丸谷さんのやりとりに導入しないとね。あと管楽器との既存の協奏曲をやることが肝要だと思うのは、吹奏楽にとってのソロないしソリは一瞬照らされるスポットの域を出ない、それは通常の吹奏楽編成でもアンサンブルでもってこと(つまりコンクールでも学校・楽団の定期演奏会のたぐいでは触れられない。大勢と一個人の競演という音楽に)。
でとってつけたように言うが、演奏は実に素晴らしかった。吹奏楽的に「つまらなく」悠然としていて良かった。「シバ-」より「夜明けのベルキスの踊り」はコンクールでカットされるであろう旋律がウネウネするところが実にドビュッシーっぽいんだ、って個人的な発見。シンフォニーホールだと音響飽和するから、これからも芸文でやるといいと思うよ。
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*2:該当公演のレポ→管弦楽⇔吹奏楽の功罪 - To Walk with Wings