cogno-SIC

cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

「ローマの松」(レスピーギ)は正統派向き?

昨日のベストオブクラシック 第1521回N響定期公演*1を聞いた感想。
「ローマの松」以外のプログラムはあまり聞きこんでないので割愛させて頂いて、と。
(一応MD録音したがやはりノイズがひどい。BSでいづれするだろうからそれまで我慢。)


ネルロ・サンティ氏は正統派の演奏をする指揮者らしいが、昨日の公演でもそんな正統派の「ローマの松」を聞かせてくれた。楽器配置が特殊だったようだが、確かに普段より弦楽セクションが綺麗に聞こえたかも?

ボルジア荘の松
N響金管はまだまだ頼りない。テンポは比較的インテンポ。テンポを速くする演奏が多いと思うけど、それに対して冗長にならずしっかり安定した演奏。すごいなぁと感じた。
カタコンブ付近の松
ピアノが強奏で入る部分に驚いた。今まで私が聞いてきた「ローマの松」ではあそこまでピアノが突出する演奏は聞いたことがなく、新鮮であった。
ジャニコロの松
この曲で一番好きな楽章。吹奏楽出身者だと次の「アッピア街道の松」を上げる人が多いかもしれないけど私はこの楽章。やはり綺麗ですから。演奏の方は、情緒的になってアゴーギグをつける、ということがない。繊細に流れていく。非常に綺麗。
アッピア街道の松
ラジオだから最後の荘厳な響きは堪能できないんだけど、流れがスムーズ。聞いていて快感だった。でもやっぱり金管楽器、もう少し頑張ってほしいね。怒涛のブラスとはいかないなぁ。


全体を通して思ったのは、この曲は情緒的になりやすいので、かえって正統派のピシッとした演奏の方がいいのでは、ということ。ここまで硬派な演奏をするのが逆に至難の技なのかもしれない。私はどちらかというと奇をてらった演奏の方が好みなのだが、昨日の演奏を聞いて正統派もいいな、と感じた。


ちなみに「ローマの松」は、

(ローマ三部作では一番売れてるみたい。しばしば推薦されるが聞いたことのないトスカニーニ*2を抜いて。)

(図書館にて借りた。もう一度借りよーっと。)

の音源を持っている。
順番に「情熱」・「ユニークな繊細さ」・「正統」といった感じだが、それぞれいい。そのときの気分によって聞き分けている。


ほんと、大大大好きな曲です、はい。


吹奏楽がらみだと「祭」を取り上げないのか、と言われそうだけど、また追々ね。

*1:id:intelligentsia:20040923#1095940293

*2:トスカニーニ/NBC交響楽団(聞いたことがないので脚注)

*3:過去言及(上のムーティ/フィルハーモニアも):id:intelligentsia:20040713#p1