コンクール課題曲
《東京佼成ウィンドオーケストラメールマガジン》(2004.9.26)より。
案外課題曲の選考ってどのように行われているのか知らないのでは?
■課題曲ってどうやって決まるの? 安藤真美子(トランペット)
<略> さて9月5日のメルマガで全日本吹奏楽コンクール課題曲のレコーディングレポートを
お届けしましたが、今回は吹奏楽連盟の担当の方にご協力いただき、その課題曲がどうや
って決まるのか、マル秘情報をゲット。皆さんに教えちゃいます!(というか私が知りた
くてこの企画を通しました・・。)現在マーチの年とマーチ以外の年と交互になっていて(私が中学生の時は混ざっていま
した。え?まだ最近の話ですよ(-_-)。)、毎年5曲の作品が選ばれます。そのスタート
は
発売の約一年前の11月下旬ごろ。公募要項が発表になり、いつも100点前後の作品が
集まるそうです。以下、入手した情報をまとめてみました。
- ♪応募資格
- 人的な年齢制限・国籍等の制限はなく、作品については、「未発表、未出版で、オリジナル作品であること。応募数は1人1点に限る。」という制限があります。
- ♪最年少作曲者
- 来年演奏される課題曲を作曲した15歳の男の子です。ちなみに最年長の記録は残っていないそうですが、何年か前の「般若」、「SLが行く」の作曲者はお年を召されていたとのこと。
- ♪審査方法
- 一次審査は「フルスコア審査」、ここで10点ほどに絞られます。二次審査は「試奏審査」です。リハーサル(作曲者の立会いも認めています)の後、審査員の前で実際に演奏し、ここで課題曲となる5曲と各賞が決まります。審査員は、作曲家と連盟役員・朝日新聞社の代表者です。ちなみに今年審査した作曲家は「浦田健次郎」「木下牧子」の両氏でした。今年は6月にTKWOが普門館で演奏しました。現在、試奏・録音は大阪市音楽団と2年ずつ交替で担当しています。
- ♪各賞について
- 朝日作曲賞1点、入選3〜4点、佳作1点程度です(その年度によって違います)。朝日賞には賞金100万円が贈られます。
- ♪出版までの流れ
- 6月に課題曲が決まった後、各作曲者と何度もの打ち合わせを経て、初稿ができます。そして、9月ごろ録音・録画。その際出た変更を反映し、幾度もの校正を行ない、出版までこぎつけます。毎年12月中旬に出版されるので、決定後6ヶ月かけて皆さんが手にする譜面ができていくわけです。
来年の課題曲は、今まさに出版に向けて校正が繰り返されているのでしょうね。
さあどんなマーチがお目見えするのでしょう。お楽しみに! おしまい
(この件に関する一切の質問はお断りいたします。)
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200409260900000000054609000
※適宜見やすいよう修正を施してます
へぇ、来年の課題曲を作曲したのは15歳ですか。
ちなみに来年度の課題曲はマーチで、
1.パクス・ロマーナ(第15回朝日作曲賞) 松尾善雄 作曲
2.マーチ「春風」 南俊明 作曲
3.ストリート・パフォーマーズ・マーチ 高橋宏樹 作曲
4.サンライズマーチ 佐藤俊介 作曲
5.リベラメンテ 吹奏楽による 出塚健博 作曲
となっております。Band Journalがあればどの方が15歳かわかるんですが、今手元にはありません。
個人的にⅤがどんな曲なのかが気になります。
(課題曲Ⅴは去年登場した従来の課題曲と別の審査基準で選ばれる課題曲で、大学・職場・一般の団体のみが演奏できる。吹奏楽の新たな可能性を模索する目的で設けられた。)
…↑といってグレードの高い曲が今年まで2曲選ばれてるわけだが*1、私としては90年代中頃の課題曲の方がグレードが高く(94年Ⅱ:饗応夫人 太宰治作「饗応夫人」のための音楽(田村文生) など)、画期的・前衛的であったような。まああくまでCDを聞く限りですが。
(過去記事:id:intelligentsia:20040808#p3)
*1:2003年「列車で行こう」(川村昌樹)、2004年「サード」(田渕浩二)