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cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

第52回全日本吹奏楽コンクール 高校の部 結果

さて遅ばせながら例によって結果を見た感想を。


朝一となった名門、東海大付属第四高校は惜しくも銀賞。朝一という原因のみで銀賞の理由を語るのは何だか嫌ですが、まあ多少は不利だったかもしれません。お休み明けということも理由に挙げられるかもしれませんが、いかんせんこんな事は当事者にしか分からないのです。来年のリベンジに期待。頑張ってください。


浜松商業高校はかつて名を轟かせていた所。今年久々の復活でしたが、残念ながら銅賞という結果に。はてなに浜商でまさにコンクールに出てる現役生の方の日記があって応援していたのですが、日記をやめられたようで、「お疲れさまでした。」と声をかけれないのもなんだか悲しいです。届かないかもしれませんがここで「お疲れさまでした。」とお声をかけさせて頂きます。


関西地区として応援していた洛南高校は惜しくも銀賞。でも今回のコンクールでの「ウィンド・ブリッツ」の演奏を機にこの曲がどれだけ吹奏楽界で広まるか注目です。まあ私は洛南の特徴である楽器の持ち替えについてはあまり関心がないのでここでは触れない訳ですが。


埼玉県立与野高校は今年から指揮者が変わり、2000年の課題曲Ⅳ「吹奏楽の為の序曲」の作曲者である坂田雅弘氏率いる新体制で挑み、他人の心配を余所にしっかり金賞。21世紀の吹奏楽“響宴”Ⅶの坂田氏のプロフィールを確認するとしっかり「埼玉県公立高校教諭」書かれてました。ってこの人事はいったい?


地区大会銅賞から這い上がって奇跡の成長を成し、いまや全国大会常連となった愛知県安城学園高校は残念ながら銀賞。でも私が引っかかるのは自由曲の映画音楽「ベルリン陥落」より(D.ショスタコーヴィチ/木村吉宏)という選曲である。曲の詳細は知らないが、アシュケナージNHKスペシャルの放送を見た限りだと、数ある曲の中でなぜこれを選んだのかがわからない。そもそもなぜこの曲を編曲譜として出そうとしたのか真意が見えない。学生にこの曲の政治的背景を中身はどうあれ教えたものだと信じたい。


名門常総学院は自由曲「交響三章」より第3楽章(三善晃/本図智夫)という意欲的な選曲でしっかり金賞。三善晃氏の作品はしばしば吹奏楽で編曲されて演奏されているようだけど、私は今だ聴けていない。


自由曲がバルトークのオケコンということで以前にも取り上げた*1埼玉県立伊奈学園総合高等学校は金賞。オケ界の審査員にも晴れて評価されたわけです。いやぁ早く聴きたいですな、吹奏楽でのオケコン。どう編曲されているのだろうか。そして今年取り上げる団体が少なかった課題曲Ⅱ「エアーズ」が金賞を受けてCDに残ることになり、今日までで全課題曲が一応CDに収録されることになりました。コレクターとしては安堵といったところでしょう(私はコレクターではないけどね)。


あの天野正道氏の母校であり、氏の編曲譜を意欲的に演奏している秋田南高等学校は惜しくも銀賞。今年は歌劇「ルル」より5つの交響的小品(A.ベルク/天野正道)という選曲で、ベルクが全国大会で演奏されるのは83年の「管弦楽の為の三つの小品」以来21年ぶりらしい。ベルクはほとんど聴いたことがないから聴いてみたい。秋田南のような独自路線を明確に打ち出しているところはユニークで好きだ。


柏市立柏高校もしっかり金賞。自由曲のアフリカの儀式と歌、宗教的典礼(R.スミス)は新曲ではないものの,全国大会初演になるらしい。ただ今、曲の詳細を調査中。



全体的な感想としてやはりクラシック編曲譜が強いな、ということを改めて感じた。というか強豪高がクラシックから離れないからこういう結果になるのかもしれないけど。吹奏楽やってるのなら吹奏楽の作品をしようよ、単純に思うのはおかしいですか?



あれ?同じ地元の2校を忘れてるんじゃないって?まあ言わずもがなですし、あまり取りたててあげるほどの話題性も私にとってはないです。

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