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cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

吹奏楽コンクール課題曲集 Vol.7

ミクシィに夢中になったせいで書いてしまったレビューだが、せっかくなのでこちらにも。
というか吹奏楽コミュニティーでもっとレビューを載せてあると思ったのに、私が一番乗か。

吹奏楽コンクール課題曲集 Vol.7吹奏楽コンクール課題曲集 Vol.7


1994年〜1997年の吹奏楽コンクール課題集(但し、94年の「ベリーを摘んだらダンスにしよう」は同シリーズのVOL.6に収録)。全国大会での高水準の演奏が収められている。

90年代の課題曲は、(行進曲ではなく楽曲に限れば)私見としてかなり前衛性を帯びた作品が多かったように思う。「饗応夫人」「クロマティック・プリズム」「交響的譚詩」など、現在の課題曲に比べると要求される演奏技術が高く、曲自体が中高生に果たして理解できるのかといった曲が多い。このCDに収められている演奏がいづれも大学・職場・一般団体であり、中高生による演奏がないのもそう言ったことを裏付ける1つの事実かもしれない。

このCDはそういった課題曲の変遷を知る上でも重要なものであるし、日本の作曲家がどういったものを作るのかを概観するも良し、日本の吹奏楽界のレベルがどういったものかを概観するも良し、色々と楽しめるものであると思う(真面目に書くほどのことではないが 笑)。もちろん当時をコンクールで過ごした方の思い出として置いておくのも良し。以上はこのシリーズ全てに言える推薦文である。

このCDで光る演奏を挙げれば、堅実な姿勢で他を圧倒する神奈川大の「饗応夫人」、これがコンクールでの演奏かと思わせるパワフルで心躍る「5月の風」、だろうか。


満足度=★★★★