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cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

神戸新聞:亡き先輩3人にささげるバッハ 県芦屋高吹奏楽部(2005/01/13)

吹奏楽を取り上げるBLOGとしてUP。過去記事にならないと個別リンクにならないので、先日までの忙しさもあり、今UPする。

 阪神・淡路大震災で部員ら三人を失った県立芦屋高校の吹奏楽部が十七日、同校が初めて開く追悼式で鎮魂の思いを奏でる。曲は定期演奏会で繰り返し演奏してきた追悼曲、バッハの「主よ人の望みの喜びを」。卒業生たちも演奏指導に参加し、震災を知らない新入部員らに犠牲者への思いをつなぐ。(安藤文暁)

 同部では、震災で当時三年だった下川麻紀さん(17)と一年の万本祥子さん(15)、前年に卒業した岡田妙子さん(19)の三人が犠牲になった。

 震災の年の六月、部員らは「失った仲間を忘れない」と追悼演奏会を開いた。翌年の定期演奏会から追悼曲を加えた。卒業生も学校を訪れ三人の思い出を語った。四年目には、岡田さんと同学年だった大阪フィル運営事務局の今田徹也さんがOB代表で追悼曲の指導、指揮を始めた。

 練習中、今田さんは「三人が生きていた事実の延長線上に今の吹奏楽部がある。君たちが、それを演奏を通じて後輩につないでほしい」と部員三十人に話す。演奏指導では技術より気持ちを強調したという。

 二年の真保茉由部長は「震災を知らない部員も、身近な命が消える悲しみを考えて練習するようになった」と話し、同市清水町で被災した二年の今井美希さん(17)は「演奏で震災のつらさ、悲しさを伝えたい」と力を込める。

 同市山手町で自宅が被害を受けた二年の吉川知里さん(17)は「先輩たちの分まで頑張って生きていけるよう感謝の気持ちを奏でたい」と話している。


http://www.kobe-np.co.jp/chiiki/hanshin05/0113jl17430.html