cogno-SIC

cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

2005年 聴いた音楽たち(未報告分)

頭だけで思い出すので、思い出せなかった印象なき演奏会は自然と淘汰されるはず。日付逆順で。

12/9 鈴木雅明バッハ・コレギウム・ジャパン「ミサ曲 ロ短調」 いずみホール

いいタイミングだった。芸術劇場でブロムシュテットがバッハのこの曲をやってるのをながら作業で見て聴いてたけど、魅了されたのでジュリーニの録音を買い、それをあまり聴かないうちに新聞広告にうまいこと目が行ったので、学生特権でお安く聴けた。
もう気分的にはこの演奏会で今年の締めにしたい(第九とかじゃなくて)。アルトのインゲボルク・ダンツ、バロックティンパニのロバート・ハウズが神がかり的。ハウズに僕はしつこく拍手を送って、にこっと会釈までしてもらった。ほんと、えがったなぁ。

12/3 大阪府立大学交響楽団 第42回 定期演奏会 ソフィア・堺

マチュアの演奏会こそ、クラシックを広く普及させるきっかけなのかなぁ、と思いました。アマチュアでも、いや、アマチュアでしか得られない感動があるから。

11/24 西本智実「幻想」ツアー2005 with チェコ・ナショナル交響楽団 ザ・シンフォニーホール


悪いが、ひどい演奏会も経験のうち、だった。アマオケで「幻想」やる勉強ってことでわざわざS席で聴いたのに、打楽器群がなってなかった。開演前に安ーい楽器が並んでる時点でうすうす感ずいてたのだが、案の定プラスチックの皮ではいい音も出るはずはなく、おまけに日本人女性がエキストラで乗ってたのだが、普通に入り間違えるし、仕舞には隣の団員に入る場所を手振りで教えてもらってるし、興ざめもいいとこだ。指揮者は良かったけど、オケがなってなさすぎ。前プロの2曲(リスト)は聴いたことなかったので、楽しめたけど。あまりの憤りに、普段書かないアンケートに「打楽器がひどい!ひどすぎる!!」とだけ書いて投稿。
後でお店で流してたDVDで、豪華な楽器と首席奏者が叩いてるのを見て、ほんとに損した!、と自分を嘲り笑ったよ。

11/12 デュトワチェコ・フィルハーモニー管弦楽団 フェスティバルホール

釈明の必要があるので述べておくと、この日は本来 京都賞で来日してたアーノンクール氏によるワークショップが開催された日。でも何も考えてなかった私は、チェコ・フィルのチケットを申込んだことをすっかり忘れて、ワークショップに応募してしまい、結果ダブルブッキング。ややこしいのはこの日に仕事が入ってしまって、京都賞のワークショップはどうあがいても無理になり、チケットをある方へ譲り、チェコ・フィルは仕事後に鑑賞した、ということに相成りました。前日の受賞記念講演に大変感銘受けたことは言及済み。

というわけで(ご理解いただけますか?)、思わず二日連続で感動体験をしてしまう。プロコフィエフは比較的落ち着いてたが、それがチェコ・フィルなのだなと、初めてこの楽団聴いたのに納得。それよりデュトワの無駄のない振りを見るだけで感動。かっこよすぎ。「春の祭典」はデュトワチェコ・フィルもヒートアップして、熱演。第一部の「賢人の行列」で、5つぐらいのセクションが一斉に違うことをしてるのにはっきり聴こえてくるので、パノラマを見てるような感覚に陥る。最後の最後、決めの振りでデュトワが力余って、指揮棒がコントラバスの方へ円を描いて飛んでったー! カーテンコールで後ろから回ってきた指揮棒をデュトワが笑顔で受け取ったのが、また最高にカッコよかった。

10/22,23 第53回全日本吹奏楽コンクール 大学・職場・一般の部  大阪国際会議場

こちらですが→53th All Japan Band Competition - To Walk with Wings
駒沢大で止まっちゃってますね(笑。誰か私の代わりにメモを起こしてください or 「書いてくれぃ」というリクエストを10件以上頂いたら、また強制的に書き始めます。
思うのは、楽団のレベルというのは、楽員の基礎能力→曲の演奏能力ときて、最後の最後に指揮者の力量・解釈が問われるんだなぁって。もちろん指揮者(指導者)はすべての過程に携わるけど、本番という最後の演奏で責務を問われるのは指揮者ただ一人なんだ、って思った。吹奏楽は集団行動だけどさ。

9/27 アジアのスーパー・ガラ・コンサート2005 ブラピ!「ピアノとブラスの華麗な祭典」

http://www.ipaf.jp/schedule/kansai_09_27.html
なかなかに豪華な演奏会だったとは思いますが、政府御介入ってことで、インパクトが薄く。非常にやっつけ仕事の感触が。
確か初めはショパンの作品を、順番にステージ出てきながら演奏したり、最後に「革命」を4人で連弾。日中韓3カ国の民謡を交えた曲を、面白おかしく連弾してた(ミニマムピアノが出てきたり)。リスト編曲のベートーヴェン「第九」第4楽章 ピアノ連弾と合唱を「世界初演!」とか言ってやってましたが、これは本当でしょうか?>専門家様 
他トルヴェール・クヮルテットはCDで出した通りの「トゥルヴェールの『惑星』より「木星」」、そしてエキストラが多かったシエナ・ウインド・オーケストラ、合唱とピアノ8手連弾による「展覧会の絵」。かの伊藤康英先生の編曲だったのですが、これだけ特異で大編成な編曲だけに、もう演奏されないでしょう…。合唱用に日中韓それぞれの母語を使って作詞もされてたが、歌詞カードがなく完全に聴き取れなかった(「平和ー」って歌ってたと思う)。
最後に会場の皆さんで「アメイジング・グレイス」の演奏と合唱。シエナおなじみ楽器の飛び入り参加あり、ではあったが、いつもの「星条旗」ではなかったので、飛び込んだ人も私も戸惑った。
なかなか面白かったですが、一番驚きだったのが、客席に翌日本番で来られてた中村紘子さんがいらっしゃってたこと。(司会のお二方がお客さんにマイクを向けようと回ってたら、八木アナが中村さんに気づいた)


…我ながらよう覚えとるなぁ。

8/1 PMFオーケストラ 大阪公演 [指揮]ネルロ・サンティ

http://d.hatena.ne.jp/intelligentsia/20050714/1121349785
dさんと拝聴(あまり喋れなくて、気まずくなってすいませんでした)。ロッシーニアマオケの演奏会も控えてて、非常に参考になったし、ものすごく活気があって鳥肌が立った。レスピーギも、「祭り」まで金管がバテルところかイケイケで、鳥肌立ちっぱなし。大好きな「松」の3楽章は、クラリネットソロはブラボー者だったが、他の弦のアンサンブルが乱れそうでハラハラさせられた。レスピーギのような大編成の曲はやはり生で聴くに限る、と思いました。興奮の桁が違いますし、機会も少ないでしょうし。




…おそらく以上。来年はアーノンクールは絶対として、アバドルツェルン祝祭管弦楽団マーラー6番「悲劇的」も聴きたいし、コンセルトヘボウも聴きたい。クラシックとは贅沢な娯楽だこと。