cogno-SIC

cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

アジア・オーケストラ・ウィーク大阪フィル公演(04/10/08) レポ

先月のサイトウキネンの影響で生演奏が聞きたい欲求にかられてたものの財布が空っぽで断念していたのだけれど、先日幸運なことにお金が入ってきたので、当日券もあるということで行ってまいりました。

Program

―休憩―

アンコール


演奏:大阪フィルハーモニー交響楽団 指揮:岩城宏之

シンフォニーホールに行くのは4年ぶり。大阪シンフォニカの定期の券が偶然入って行った以来。とは言ってもその頃は吹奏楽始めたばかりでほとんど耳はど素人だったのであまり記憶にはない。会場30分前に当日券を購入し、初めて行く気分でホールに入る。
席は2階LC列2番。ちょうどオケを真横から見る位置で、ほとんどの楽器が見れた。打楽器人としては非常にいい席だった。また指揮者が指揮台に向かう道のちょうど真上で、岩城さんがステージから退場される際に何度か目が合ったような?若者がコンサートに来てるということで驚かれたのかな?(全て妄想)

少し吹奏楽に話をそらすと、日本組曲を聞いたのは去年の吹奏楽コンクール東京都大会。編曲譜を東京正人吹奏楽団が演奏していた。結局全国大会には駒を進めず、この曲の吹奏楽版を聞いたのはごく少数になってしまったわけだが、私は当日演奏音源を買ったので今でも時々聞いたりする曲である。聞けばだれでも伊福部昭の曲だとわかるくらい伊福部節満載の曲。

19歳の時に作曲したピアノ曲を伊福部氏が喜寿(77歳)になられた年に管弦楽用に編曲された曲で、「盆踊り」「七夕」「演伶(ながし)」「佞弐多(ねぶた)」の4曲からなっている。

とプログラムの曲目解説に書いてある。
演奏は出だしがそろわず一瞬ひやりとして、さらにティンパニーの中谷氏がマレットを落としてしまい、「おぃおぃ大丈夫かよ」と思うも、弦セクが強烈にメロディを奏でたり、一瞬の打撃音がバシッとはまるとそのことも忘れて聴き入る。全体的に打楽器が大活躍(=超難)で見ていて飽きない。特にティンパニーは6台をフル活用で大変だけどすげぇー、と感心する(そりゃマレット落とすわな)。全体として迫力のある演奏でした。

  • 夢の時

最初の方はかろうじて聞いてたのだが、不覚の余り寝てしまった。まだ武満徹の音楽は理解できないようだ。打楽器はTimpaniなしで(メシアンと一緒か?)鍵盤楽器系が多用されてたかな?あと音程の異なるGong。この曲も打楽器盛りだくさんだったのだけど。最初の方を聞いただけだと弦セクションはよくあんな複雑な譜面を弾けるなぁ、と驚いた。

  • 大阪素描

この曲はまだCD音源がないようなので昨日の演奏を聞けたのは非常に貴重と言うか、なんだか得した気分。まだこの曲を聞いた人が少ないだろうから。プログラムの曲目解説を引用。

徳山氏の故郷大阪をめぐる民族的な素材が、前衛的な語法とごく自然な形で結びついた人気作品。

第1楽章「プロローグ」は作曲者によれば、天神祭りを前にした大阪人のはやる心が描かれた短い前奏曲。鐘と太鼓がなりわたる豪壮な音楽。第2楽章「遠国〜おんごく」は、江戸末期の童歌を題材にした緩徐楽章。旋律が襞を成すようにして重なり合う中から、幻想的な風景が現れる。そして遠くから祭囃子が聞こえてくると第3楽章「祭」のはじまり。徳山の現代作曲家としての技術が遺憾なく発揮されたダイナミックなフィナーレ。

曲の全体的な感想としては、「第2の大阪俗謡*1か。」と思った。でも大阪素描の方がもっと斬新な気がするけど。構成は日本組曲と似ていた。やはりこの曲も打楽器群が大活躍(=超難)。これもなかなかかっこいい演奏を披露してくれた。
演奏終了後に作曲者本人がステージに上がってこられて拍手が延々と続いた。

*1:大栗裕作曲「大阪俗謡による幻想曲」