大阪府立大学交響楽団 第14回あじさいコンサート
行ってきました。
学生オケの演奏会を鑑賞したのは初めて。
私が何故演奏会に足を運んだかと言えば、一番大きいのはネットの繋がりということになろうが、何よりも私にとって大きかったのがJRの事故で亡くなられた宮崎さんのこと。おそらく交流があれば同じ打楽器奏者として仲良くなれたであろう、そして同い年ということがかなり哀しくもあった。学生オケ全体が一時活動を休止せざるを得なかったが、宮崎さんと共に切磋琢磨練習してきた思いを新たにし演奏会を成功させようという意志に、私はこの演奏会には行かねばという義務感を抱いた。
まず会場に着き、お客さんのそこそこの多さに驚いたし、ホールが案外良いいとこだなと思ったりした。
で、前述した義務感でもって聴きに来たのだが、実際に着てみると「どんな良い演奏ができるのだろうか?」とか、正直な話粗探しをしようとする自分がいた。後々反省したが、ただ演奏会は演奏会だし、宮崎さんを追悼する気持ちで聴きに来た人もいれば、純粋にクラシックを楽しもうと聴きに来た人もいただろう。私のような「勝手に評価する人」がいたこともそれはそれでお許し願いたい。
演奏会はまず団長による宮崎さんの訃報の後、宮崎さんへの哀悼の意を込め演奏者と観客全員による黙祷。団長はほんとに悲しそうな喋り方だった。黙祷中カメラのシャッターがしきりになっていたが、それは日曜の読売朝刊1面に演奏会の写真が載ったことから、読売の記者だったんだろう。目障りだとは思ったが、事故を忘れないという面からも必要だったとは思う。黙祷終了後、「この演奏会はお客様に楽しい演奏をお届けする演奏会です。」と説明があり、哀しい雰囲気ではなくどうか楽しんでほしいと言う思いから発せられたであろうと思った。それは一曲目の指揮者がステージに上がって演奏を行う前にも念押しのように喋りかけていた。
演奏の方は、どうしようか、私はアンケートに簡潔に感想を書いたし、二日も間が開いてしまったので、細かい話はしない方がいいかもしれない。学生オケの演奏を今回初めて聴いたことだし、求める基準と言うのもわからない(アンケートにはほんと高望みなことを書きすぎたかもしれない)。なによりもやはり素人が追悼の意も込めた演奏会を評価するのも、なんとも人の悪いことだと思う。「まさにフレッシュな演奏であった」というのが総括になるかと思う。
それでも個人的に気になったのが、振り・演奏の仕方など。大分前にPerの先輩が陸上自衛隊のレッスンを受けたことがあったらしいのだが、そこで「舞台に上がってからは演技をしなければならない。」というようなことを言われたと言う。何も演技の話じゃなくて演奏者の話なのだが、演奏会自体の雰囲気を作るのは演奏者だと。ステージのあがり方、歩き方、座り方まで、それらしくできるかどうかで雰囲気はかなり変わってくる。演奏もそうで、弾き方・叩き方など、お客さんは聴きに来ているが見てもいる。撥の叩き方ひとつで、やってる側からすればどのような拍観を持って叩いてるかとか、わかってしまう。そこまで配慮して演奏できるか。
あとプログラムのこと。パンフレットに入っていた学生オケの演奏会一覧をざっと見ても19世紀の作品が多い。何故20世紀の作品に手が伸びないかなぁ、と(技術的な問題かなぁ?)。
私個人としては、実は「運命」を生で聴くのは初めてだったので、非常に有意義な演奏会でした。
※@wikiの下書きコピペですが、これが真意なのでそのままで。
脱線事故で亡くなった大阪府立大2年、宮崎美佳さん(19)(兵庫県三田市)が所属した同大交響楽団の定期演奏会が11日、堺市内で開かれ、約70人の団員らが黙とうし、悲しみの音色を響かせた=写真。
ティンパニを担当していた宮崎さんが練習を重ねていたベートーベンの「運命」では、ばちの握り方から教わったという同じ2年生の木内真人さん(20)が代わってたたき、宮崎さんにささげられた歌劇の調べが奏でられると、客席では目頭を押さえる人もいた。
(2005年06月12日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dassen/jd50612a.htm