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cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

マルタン:7つの管楽器、ティンパニ、打楽器と弦楽のための協奏曲

id:mk666さんはいろんな作曲家知ってはるなぁと思いながら、一ヵ月前から書こうと思ってた話を。

4月の末にNHK-BS2サイトウ・キネン・オーケストラの2003年の公演収録が放送されていたので、実家で録って貰い、数日後受け取って自宅で見た。内容は

指揮:小澤征爾
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
※Flute:工藤重典 Oboe:宮本文昭 Clarinet:カール・ライスター Basson:吉田将 Horn:ラデク・バボラーク Trumpet:ティモシー・モリソン Trombone:山本浩一郎 Timpani:エヴァレット・ファース

マルタンの方は曲名だけでどんな曲か気になってたし、ブルックナーの方はCD買わずに済むかも、と思って見てみると、このビデオはマルタンの方が故に保存盤になることになりそうだ。
スイスの作曲家フランク・マルタン(Frank Martin)の「7つの管楽器、ティンパニ、打楽器と弦楽のための協奏曲」という長い名前の曲が非常に面白い。3楽章形式。音楽史としては新古典主義の音楽らしく、バルトークの通称「弦チェレ」をユーモラスにして協奏曲の形にした感じ(ってちょっと離れすぎてるから、この例えは無理があるか)。各ソロ楽器の使い方が巧く、どれもこれも難しそうだがやっていることはかっこいい。特にTpが一番光ってる。Timpaniにも長いソロがある。私なんかはファゴットのソロでファゴットの魅力を再確認した次第。
サイトウキネンの演奏はというと、申し分ない出来。ピカ一のソロ奏者が揃い、おそらくこの曲が数々演奏された中でも一番豪華なメンバーじゃないかと思う。小澤氏の指揮は演奏会のサブ曲だからなのか非常に軽妙なのだけど、ソロ奏者の8人はかなり一生懸命な演奏。でもすまし顔に近いから、流石である。Trumpetのティモシー・モリソンの妙技には毎回驚く。Hornのラデク・バボラークの音は初めて聴いたが、音の広がりが良い。Timpanistの私としてはやはりエヴァレット・ファースを凝視してしまうのだけれど、撥のストロークはあまり大きくなく、無駄なくそつなく演奏している。上手い演奏に無駄な動きは必要ないのだ、と勉強になる。この演奏がぜひCDとなってほしい所だ。
曲の音源としてはアンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団の録音が定番としてあるのと、新しい録音だとシャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウの録音があるそうだ。マルタンはバラードという形で沢山のソロ楽器に曲を書いてるので、今後とも聴いていきたい。

B000068W0Wマルタン:7つの管楽器、ティンパニ、打楽器と弦楽のための協奏曲
アンセルメ(エルネスト) スイス・ロマンド管弦楽団 マルタン

曲名リスト
1. 7つの管楽器,ティンパニ,打楽器と弦楽のための協奏曲
2. 弦楽オーケストラのためのエチュード
3. 小協奏交響曲

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B00005FKLTマルタン:フルート,ピアノと弦
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 ハール(ジョン) ブラウティガム(ロナルド) ズーン(ジャック)

曲名リスト
1. フルート,ピアノと弦楽のためのバラード
2. サクソフォーン,ピアノと管弦楽のためのバラード
3. ピアノと管弦楽のためのバラード
4. トロンボーン,ピアノと弦楽のためのバラード
5. 7つの管楽器,ティンパニ,打楽器と弦楽のための協奏曲

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