第32回 関西アンサンブルコンテスト 報告
行ってきました。母校現役生が全国大会に出場することになりました。8年ぶり。実に喜ばしいことです。
部の歴史において全国行きを後一歩で逃したOBの方が、行ったOBよりもはるかに多いはずです。私たちOBはそんな悔しかった思いがあるからこそ現役生を応援したくなる、きっとそうだと、そんなことを全国出場が決まってから考えてました。OBとして何ができるかと議論を吹っかけたところで当の私は何かできるわけでもなく、むしろ「デメリットが生じた場合においてもコミュニティから離れないタイプの人間」「しつこく付きまとうストーカーのようなOB」じゃないかという悲観が頭をよぎりますが、少なくとも今回の全国出場で岩手まで行ってその勇姿を見守ることぐらいはできるんじゃないか、と思ってます。
【追記】チケット売り切れました →入場券についてのお知らせ 遠くからご健闘を祈ってまふ。
ひとまずお疲れ様でした・これからの更なる奮闘期待してます。
以下演奏曲目・審査結果・個人的なレビューを(レビューは審査結果の後ろに括弧付けで記し、基準はこちらの判定法に準じて)。レビューに関しては諸事情で聴けなかったものを除いて、演奏中・後のメモを基本的に起こしてます。曲の雑感と演奏の感想が混在してますが、審査結果をなるべく加味せず、個人の素直な印象を記述。審査委員は以下の通り。
北野徹(大阪音楽大学・打楽器)
野口伸広(大阪シンフォニカ交響楽団・トロンボーン)
本田耕一(大阪音楽大学・クラリネット)
前田昌宏(大阪音楽大学・サクソフォーン)
宮村聡(京都市交響楽団・トランペット)
各審査員の判定が書かれた演奏団体に渡されるが、審査方法や審査基準は公的には開示されてない(よって個人的な評価とずれるのも致し方ないが、なぜずれるかもわからないのは解せない)。これは情報公開の流れから相反するので、連盟には開示を要求するのと、開示できないのならその理由を説明する責務があると思われる。そう思いませんか?皆さん。
小学校の部
中学校の部
- 京都 洛南高等学校附属中学校 打7
- 祝典と聖歌 N.D.ポンデ
- 代表・金賞
- 滋賀 守山市立明富中学校 打6
- ティンパニとパーカンションアンサンブルのための協奏曲 J.ベック
- 銀賞
- 兵庫 西宮市立甲陵中学校 打6
- イントロダクションとロンド E.デル=ボルゴ
- タイムアウトによる失格
- 兵庫 姫路市立大白書中学校 金打7
- 序奏とアレグロ コン ブラブーラ 高昌帥
- 銀賞
- 大阪 大阪市立市岡中学校 管打8
- 薄暮の都市 〜8人の奏者のために〜 星出尚志
- 金賞
- 奈良 生駒市立生駒中学校 Tb4
- 3つの都市の組曲 R.チャップマン
- 銀賞
- 京都 洛南高等学校附属中学校 金5
- スパゲッティの歌 K.ミーファー/池内毅彦
- 銅賞
- 大阪 豊中市立第十一中学校 金8
- 「高貴なる葡萄酒を讃えて」より Ⅴ.フンタドーレ …そしてシャンパンをもう一本 G.リチャーズ
- 銅賞
- 奈良 王寺町立王寺中学校 金8
- テルプシコーレⅠ 森田一浩
- 銅賞
- 和歌山 和歌山市立明和中学校 金8
- 「高貴なる葡萄酒を讃えて」より Ⅴ.フンタドーレ …そしてシャンパンをもう一本 G.リチャーズ
- 銀賞
- 奈良 生駒市立上中学校 金8
- 兵庫 豊岡市立豊岡北中学校 金8 11:25
- 「高貴なる葡萄酒を讃えて」より Ⅴ.フンタドーレ …そしてシャンパンをもう一本 G.リチャーズ
- 金賞
- 13 大阪 堺市登美丘中学校 Fl4
- 「四重奏曲」より 第1、4楽章 P.M.デュボア
- 内輪の演奏。 自分達のためだけでなく、お客さんに聴かせる、ホールに音楽を充満させる意気込みが欲しい。
- 銀賞(S−)
- 滋賀 県立河瀬中学校 Cl4
- オーディションのための6つの小品 J.M.デュファイ
- 音量、客席に届いてる。
- 金賞(G)
- 大阪 清教学園中学校 Sx4
- サクソフォーン シンフォニエッタ D.ベネット
- ベルの向きのせいか、楽器による音量の違い鮮明・演奏内容も実直さと明るさの中庸。
- 金賞(G)
- 京都 京都市立修学院中学校 Sx4
- サクソフォーン四重奏のための万葉 櫛田てつ之扶
- 出だしより音色の表現巧み。フォルテ時の音量が弱いのが惜しい。加えて低温の強い支えも欲しかった。
- 銀賞(S+)
- 大阪 大阪市立市岡東中学校 Sx4
- 滋賀 守山市立守山中学校 Sx4
- ノヴェレッテ 八木澤教司
- 銅賞(S)
- 兵庫 猪名川町立六瀬中学校 Sx4
- 兵庫 高砂市加古川市組合立宝殿中学校 木3
- 「三人の対話」より ミーティング・心を開いて・幸福 P.ポーボン
- コールアングレも。フルートとが秀でる。中学生なのに風格ありすぎる内容。ソロの受渡しで「どうぞ」とやるようなしぐさも見れ、曲を楽しめていた。
- 銅賞(G+)
- 和歌山 和歌山市立明和中学校 木5
- せわしない。シンフォニエッタ風な面白い曲ではあるが、もっと変化をつけたい。あるいは移行部(曲が移る部分)をもっと重要視して。
- 金賞(S+)
- 兵庫 姫路市立大白書中学校 木8
- 滋賀 大津市立打出中学校 木8
高等学校の部
- 大阪 大阪学芸高校 打5
- 京都 立命館高等学校 管打8
- 和歌山 県立向陽中・高等学校 金4
- 無声映画 P.M.デュボア
- 非常に音量大きく、逞しいが、耳にきついのは私的な問題?
- 銀賞(G-)
- 兵庫 兵庫県立北摂三田高等学校 金8
- 「ニューヨークのロンドンっ子パート2」より Ⅳ.セントラルパーク Ⅴ.ラジオシティ J.パーカー
- 広めにとった編成。ハイトーンが自然に聞こえたり、穏やかだが、主張に乏しい。
- 銀賞(S)
- 京都 京都文教高等学校 金8
- 「ニューヨークのロンドンっ子パート2」より Ⅳ.セントラルパーク Ⅴ.ラジオシティ J.パーカー
- 弱音部の細かい音符の発音が課題。前団体と大きな差異なし。
- 銀賞(S)
- 兵庫 県立西宮高等学校 金8
- ウェイアンカー 堀田庸元
- 演奏が終わった後の一言「惜しいなぁ」。サウンド自体はしっかりしてて安心、曲も良いと思うし。ただやはりメッセージ性に乏しいか。全国大会での奮起を願う(でも本番は何よりリラックスで)。
- 代表・金賞(G-)
- 兵庫 尼崎市立尼崎高等学校 金8
- 大阪 箕面自由学園高校 金8
- 「高貴なる葡萄酒を讃えて」より Ⅱ.シャブリ Ⅴ.フンタドーレ …そしてシャンパンをもう一本
- 聞き飽きたけど、奏者それぞれ平均以上の能力はある。チューバがしっかり過ぎてる。
- 銀賞(S+)
- 兵庫 神戸市立六甲アイランド高等学校 Ob3
- ソナタ J.B.ボアモルティエ
- ホッとする落ち着いた内容。優秀。音量は楽器の問題で仕方なし?
- 銀賞(G-)
- 滋賀 滋賀県立膳所高等学校 Cl4
- 兜卒の憂い 磯崎敦博
- 銀賞(S)
- 和歌山 県立向陽中・高等学校 Cl4
- 京都 立命館高等学校 Cl7
- マリア イザベラ A.ベリオ/加藤雅之
- どこか忙しない。深みのある落ち着いたサウンドを求める。
- 銀賞(S)
- 大阪 明星高校 Cl8 14:43
- 和歌山 県立和歌山商業高等学校 Cl8
- 「ラ セーヌ」より Ⅲ 真島俊夫
- 前述の機械感をひきずる。演奏スタイルからもわかる、全く動いてなかったり。
- 銅賞(S)
- 兵庫 尼崎市立尼崎高等学校 Cl8
- コラールと舞曲 V.ネリベル
- 名曲。一貫して「黒」の色調で吹ききったことに表現の巧みさを感じた。
- 金賞G
- 大阪 住吉高等学校 Cl8 14:58
- 序奏とロンド G.ジェイコブ
- 名曲。Esクラがもっと頑張って欲しかったが、しなやかな表現が見られ、好印象。
- 銅賞(S
- 奈良 奈良県立高円高等学校 Sx4
- 奈良 奈良県立郡山高等学校 Sx5
- セカンド バトル 天野正道
- 冒頭のスイングにもう少しバスの厚み・しつこさが欲しいが、演奏に伴う動きと音楽が一体化してて、自分達の音楽空間を作り出せてた。
- 銅賞(G-)
- 滋賀 滋賀県立石山高等学校 Sx8
大学の部
職場の部
一般の部
- 和歌山 プレジールウィンドアンサンブル 打8
- 大阪 箕面青少年吹奏楽団 打7
- 奈良 Y.S.K.シンフォニックアンサンブル 打6
- エクストリームズ D.マンシーニ
- 本日一番の名演。アイコンタクトが自然にでき、なにより「アンサンブル」してた。何より基礎練ができてることを伺わせる一打・一音の音色のよさ。フォルテになっても耳が痛くない。全国出場した実績で期待してたが、間違いなかった。
- 銀賞(代表 G+)
- 兵庫 県立西宮高等学校OB吹奏楽団 管打8
- 滋賀 ミューズブラスアンサンブル 金5
- 京都 Jet Piper(s) Youth Band 金8
- 「高貴なる葡萄酒を讃えて」より Ⅴ.フンタドーレ …そしてシャンパンをもう一本 G.リチャーズ
- 銅賞(S)
- 兵庫 アルディート・ブラス・アンサンブル 金8
- 晴れた日は恋人と市場へ! 建部知弘
- 当日ビックリしたのがほとんど後輩で結成されたアンサンブルだったこと。客席から「良かったー」という声も聞けたように感動的な内容。OBのエゴだけど、代表に食らいつくのでは、と期待してみた。惜しかった。
- 金賞(G)
- 大阪 創価学会関西吹奏楽団 Cl6
- 幻想曲「さすらい人」 F.シューベルト/加藤雅之
- 風格ある演奏。
- 銀賞(G)
- 滋賀 サクソフォーンパラダイス Sx4
- サクソフォーン四重奏のためのトルヴェールの《惑星》より 彗星 長生淳
- どうしても中学の代表の演奏と比べてしまうが、堅実でしっかりした内容。あとは余裕があれば。
- 銀賞(S)
- 大阪 アルモニー サクソフォン アンサンブル Sx4
- 歌劇「ポーギーとベス」セレクション
- 圧倒的な音量。感動的な演奏内容。
- 金賞(G+)
招待演奏
あとがき
「アンサンブルとは何か」「多くの人の前で演奏するとは何か」 そういったごくごく当たり前な、でも見逃されてしまうことに、演奏その他諸々が収斂される気がします。その答えが見つかっているかどうかが自ずと演奏内容に反映されるのだろうなぁ、と思って聴いてました。皆答え自体はすぐ言葉に出せないとは思いますが、少なくとも何も確証もなく私利私欲でもって演奏してる、あるいはポリシーなく演奏してる、そういった演奏は聴いててわかるものです。アンサンブルコンテストは吹奏楽コンクールより注目度が薄れるが、アンサンブルやる意義は確かにあるんですね。もっと注目されてしかるべきかなぁ、と思います。そのためには情報がもっと流通されないと。
…と個人的には上記の疑問に答えを見出して、なるほど自分はあんまり音楽を「する」側には向いてないかな、つまり「聴く」「語る」側に終始すべきでは、とか思いました。悲観論発生。
*1:思い出せなかったので調べたのだが、ムツゴロウさんが出てた回のN響アワーでやってた弦楽合奏版はドリュー編曲 String Quartet 2 (Arr.String Orch) / Serenade