cogno-SIC

cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

その拍手は便乗の拍手か?

PMFオーケストラ 大阪公演


[指揮]ワレリー・ゲルギエフ
ファゴット]ダニエル・マツカワ
管弦楽PMFオーケストラ


▼2006 7/31(月)7:00pm


▼プログラム
モーツァルトファゴット協奏曲 K.191
ストラヴィンスキーペトルーシュカ(1947年版)
チャイコフスキー交響曲 第5番




http://www.asahi.co.jp/symphony/symphony2006/c20060731.html

去年はid:doritaさんと拝聴したPMFオーケストラ大阪公演。今年はゲルギエフのお国もの2曲に、アニヴァーサリーイヤーとしてモーツァルトの協奏曲がプログラムに並んだ。打楽器に関して目視で確認できたのは、

2階FF列27番席で拝聴。眺めよし。ゲルギエフはまるで痙攣してるかのような手つきでもって、オーケストラを導いていく。モーツァルトでは絶妙なアルファー波が分泌されて、思わず眠りに誘われたが、「ペトルーシュカ」では、音程の悪さ、複雑極まる変拍子によって逐一アンサンブルが止まってしまうことで、小生は不快感を抱かざるを得なかった。万乗の拍手で何度もゲルギエフはステージに戻されるが、小生の方は同じ拍手でも、「呆れた」拍手だった。それほどストラヴィンスキーオーケストレーションは、まるで一つ柱を抜くと崩壊してしまう高層ビルのように、精巧極まりない。
だが若き芽達を咲き乱れさせたのはチャイコフスキーだった。縦横無尽に音楽は収縮し、時折垣間見えたリズムの甘さをも許容するほど、ホールの観衆を素晴らしき世界へと導いた。費用対効果からしても満足のいく一夜だった。

*1:上方にシンバルをつける奏法も見られた