cogno-SIC

cognoscenti(こぐのん) notes (mainly classical music)

西宮市吹奏楽連盟 第62回 定期演奏会(2004/7/18) 続き

http://d.hatena.ne.jp/intelligentsia/20040719#p3


で印象に残った団体をレビューしてみるとします。(打楽器経験者なので打楽器に評価が偏重していることをご了承願う)



17. 今津中学校吹奏楽部:マ・メール・ロア(M.ラヴェル


少人数ながら比較的安定した演奏。音色・音程ともによくそろっていた。管楽器に関しては曲への思い入れが伝わってくる、非常にソフトな演奏だった。だが打楽器が目立ちすぎ(叩き過ぎ)で若干曲の雰囲気が台無しになってしまう感があった。この曲の曲想を考えれば、打楽器は“小粒のきいた胡椒”程度で十分なはず。コンクールでの健闘を期待する。


23.上甲子園中学校吹奏楽部:ガリバー旅行記(B.アッペルモント)


ミスが目立たずオーバーな表現も見られない演奏で、非常にリラックスして鑑賞できた。難をつければ安全運転だということになるが、ダイナミクスをつけるにしろ安定感が今のまま損なわれなければ、かなりいい演奏になるに違いない。


24.塩瀬中学校吹奏楽部:吹奏楽のための『風之舞』(福田 洋介) 歌劇『ヘンゼルとグレーテル』より“夕べの祈り”“パントマイム”(フンパーティンク)


2曲ともにミスが目立つが、非常に整理された演奏で、指揮者の力量を感じた。曲の展開がうまく運び、聞かせる演奏だった。ただ音程の悪さが目立つので、ミスの軽減とともに今後のコンクールへの課題としてしっかり取り組んで欲しい。


27.関西学院高等部 吹奏楽部:エアーズ(田嶋勉) オセロ(A.リード)


テンポの速い「エアーズ」。それはそれでひとつの演奏としていいと思った。だが最終部分のフルートsoliにつながる部分の曲の運び(管楽器が掛け合いながらフルートにつながっていく流れ)がさらっと流れた割には不安定で、一考を要するところだと感じた。「オセロ」に関しては非常に好演で聞き応え満載であった。打楽器に関してはやはり目立ちすぎである。C.cymをはじめ一人一人の演奏レベルが高く、よく鳴らせているが、もう少し全体のバランスを考慮して演奏して欲しい。コンクールでの健闘を祈る。


29.県立西宮北高等学校吹奏楽部:吹奏楽のための『風之舞』(福田洋介) 写楽(高橋伸哉)


西宮北は邦人の作品を得意とする団体である。打楽器は邦楽の楽器がそろえられていてお金かけてるなぁと感心してしまった。『風之舞』も締太鼓で演奏していたが、締太鼓はコンサートホールだとなぜ芯のない音に聞こえてしまうのだろうか?聞いていて非常に違和感を覚えた。スティックの選択や皮の張り具合についてもう少し研究が必要に思える。幾分スネアを使用したほうがましなのではと思った。2曲ともに演奏はしっかりしており、高レベルであった。


30.仁川学院中学・高等学校吹奏楽部:吹奏楽のための『風之舞』(福田洋介) 海の男たちの歌(R.W.スミス)


風之舞』は安定した演奏、『海の男たち』はダイナミクス十分な演奏だった。鎖を下ろすタイミングが若干遅くなる所は直してほしい。4校合同のメンバーとして健闘を祈りたい。




んとまあ次の県西のレビューに行く前に、時間を置くとしますか。
(県西のレビューは当BLOGではしません。)